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あしあと

    新型コロナワクチン接種 緊急対談(市長×市立大網病院長)

    • [公開日:]
    • [更新日:]
    • ID:12073

    いま知りたい!「3回目接種は有効?」「モデルナ社製の副反応は?」

    対談する安蒜院長

    安蒜聡 市立大網病院長

    対談する金坂市長

    金坂昌典 大網白里市長

     新型コロナワクチンの3回目接種が始まりました。

     新型コロナワクチン接種(3回目)のモデルナ社製ワクチンの接種率が低迷している状況を受け、市長自ら市民の皆様に安全安心をPRするため、大網病院でモデルナ社製ワクチンの接種を受けました。

     接種後、3回目接種の有効性や副反応など、市民の皆さんから寄せられる疑問について、金坂昌典市長が市立大網病院の安蒜聡院長にお話を伺いました。

      

    3回目接種は発症予防・入院予防に有効

    市長 最近、オミクロン株が猛威を振るっています。3回目のワクチン接種がオミクロン株に対しても有効なのかどうかを、まずお聞きしたいと思います。


    院長 「実際にどの程度オミクロン株に対して、発症予防効果があるのか」ということが皆さん気になるところかと思いますが、それについて、イギリスの健康安全保障庁が発表したデータがあります。  

     ファイザー社製ワクチンを2回接種した後、20~24週経ちますと、発症予防効果は、10%にまで減少してしまうことが分かっています。これが、ファイザー社製ワクチンを2回接種した後に、3回目にファイザー社製を打ちますと、2~4週後には、ワクチンの有効性が65%にまで回復する。3回目をモデルナ社製で打ちますと、2~4週後に75%に回復する。5~9週後になりますと、ファイザー社製で55%、モデルナ社製で70%の有効性がある。発症予防効果という面で見ますと、モデルナ社製の方が、有効性が若干高いと言えます。    

       また、2回接種後、オミクロン株に対する入院予防効果が52%まで下がっているのが、3回接種することによって、88%の入院予防効果まで回復する。データから、3回目接種の有効性が確かめられています。


    市長 市民の皆さんに、ファイザー社製ワクチンを2回接種した後、モデルナ社製ワクチンを接種する交互接種は、問題ないどころか、こんなに効果が高いということをぜひ知っていただきたいですね。


    ワクチン接種を受ける市長

    モデルナ社製ワクチンの
    接種を受ける金坂市長

    モデルナ社製の副反応は?

    市長 モデルナ社製は副反応が心配という人がいらっしゃいますが、実際のところはどうなんでしょうか。


    院長 モデルナ社製は副反応が強いのではないかと、心配されている方が多数いるということはマスコミ報道等で存じています。これは国がきちんと指針を示しておりまして、「すべてのワクチンの組み合わせで、1、2回目の接種と3回目接種は、副反応の程度は同様であり、許容される」とされています。    

     1、2回目接種と異なる点としては、ファイザー社製、モデルナ社製ともに、脇の下の痛みや、脇の下及び頸部のリンパ節の腫れの頻度が高いということが分かっていますが、大体が1週間以内に症状がやわらぎますので、心配なさらずに経過を見ていただきたいと思います。

     もう1点、モデルナ社製ワクチンは、心筋炎の発症頻度が高いといわれ、心配という方がいるかもしれません。これは事実で、ファイザー社製よりもモデルナ社製の方が、心筋炎の発生頻度が有意に高いと言うことが確認されています。ただ、この心筋炎を発症するのは、10代、20代の男性がほとんどだと分かっています。そのため、大多数の方は、心筋炎のリスクは低いので、あえてモデルナ社製を避ける理由は乏しいかと思います。

      

    市長 そういったいろいろなリスクなど含めて考えても、3回目、しっかりと打っていった方が、メリットの方が多いということですよね。

      


    大網病院の感染予防対策

    市長 大網病院での感染予防対策について、これまでの状況を教えていただけますか。


    院長 幸いに大網病院は、今まで院内感染は経験しておりません。これはスタッフに感謝申し上げたいと思っています。当院の感染予防対策ですが、まず、玄関で検温・問診を行って、発熱、呼吸器症状がある人は、病院の裏手の発熱外来ブースに誘導して、そこで診察するという形にしております。

     次にマスクの着用、また待合室では、一つ置きに座っていただくようにしております。

     このほか、入院患者さんは全例、入院前に新型コロナウイルス抗原定量検査で陰性を確認した後、入院していただくという、スクリーニング検査を行っています。

     また、原則面会禁止で、医師から特別の許可を得た患者家族のみの面会としています。さらに、入院患者さんにも等しくマスクを着用していただいています。

     今、コロナ関係の情報は日々更新されているという状況ですので、メールアプリ等を用いて、その都度、スタッフに最新の情報を発信できる体制を作っています。  

     また、コロナ感染は、飛沫感染が主であるということが分かっています。病院内で、マスクを外す場面では、距離を取ることと、おしゃべりをしないということを指導しています。

        最後に、大網病院の職員は、希望者全員の3回目のコロナワクチン接種を12月末に完了しました。

     大網病院は、千葉県から病床確保フェーズⅡを受けまして、1月より、コロナ病床を開設の再開をいたしました。 今まで6名のコロナ患者を、受け入れ、治療してまいりました。


    最も有効な感染予防策はワクチン接種

    市長 最後に、市民の皆さんに向けて、医療の専門家として感染予防で心掛けることを教えていただければと思います。


    院長 オミクロン株は重症化リスクが低いとはいえ、感染者が爆発的に増えれば、その結果、中等症・重症者が、おのずと増えてきます。これによって、医療の逼迫が実際起こっています。現在全国で入院しているオミクロン株感染者のほとんどは、感染を契機に、持病が悪化しているという患者さんで、第6波コロナ入院患者の90%以上が65歳以上と報告されています。また、全国的に医療従事者の感染や濃厚接触者が増えますと、病院機能の維持が困難になります。これを打開するには、感染者を減らすしか方法はありません。具体的な感染予防ですが、基本的な行動、すなわち、マスク着用、手洗い、3密を避けるということです。これらがコロナの発症リスクを下げるということが、学術的、科学的にも証明されています。   

     最後に、特に強調したいことは、ワクチンの接種です。先ほどお示ししましたように、3回目のワクチン接種後、発症予防効果が10%から65%、75%に高まり、言ってみれば、コロナウイルスに対する、鎧をつけることができます。この鎧によって、ご本人のみならず、ご家族、友人、職場の方たちを守ることができます。感染拡大が続いています。なるべく早くワクチンを打っていただくことが、感染者を減少させる、最も効果的で有効な方法であるということを、強調しておきたいと思います。


    市長 ありがとうございます。そこをしっかりPRできるようにしたいですね。   

     

    対談する市長と院長

    対談の様子