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あしあと

    令和4年度こころの健康づくり講演会を開催しました

    • [公開日:]
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    • ID:12777

    コロナ時代のメンタルヘルス

    ~外出制限、思い通りにならない育児。イライラが止まらない…~

    令和5年1月28日土曜日 午前10時開演

    ここからクリニック院長 佐多範洋先生をお招きし、「コロナ時代のメンタルヘルス」についてご講演いただきました。

    講演内容の一部をご紹介します。

    うつ病の生涯罹患率は15%で、6人に1人が罹患する疾患です。ちなみに糖尿病の罹患率は9%で、11人に1人が罹患すると言われています。このことから精神的な問題は、私たちにとってとても身近なものと言えます。

    人には、「感覚神経」「運動神経」の他に「自律神経」があります。その自律神経には2種類あります。「交感神経」は戦う神経で、「副交感神経」はリラックスの神経です。この二つの神経のバランスが取れていることが大事です。

    戦う神経の「交感神経」が優位になりすぎると、「不眠」「のどの詰まり」「便秘(下痢)」「食欲低下(または亢進)」「動悸」「不安」などの症状が起こります。人は気合で休めないので、うまくお薬を使うことも必要です。

    メンタルヘルスの改善には、①安全の確保(仕事・家庭・学校などの環境調整)、②お薬の力を借りる(生活習慣病と違い、習慣改善で神経は休めない)、③認知行動療法や呼吸法などがお勧めです。

    「①安全の確保」

    苦手なことが苦手でなくなるのは簡単なことではありません。精神面の不調があるときは、まずは休むことが大切です。例えば、短距離走者がそのスピードでマラソンを走るのは不可能です。できないことを無理してやるのではなく、自分が生活しやすい環境を調整することが大切です。また、各種相談事業、病気休暇、障害年金、適応指導教室などの使える制度を活用することをお勧めします。千葉県では中核地域生活支援センターを設置しているので、利用してみるのもお勧めです。しかし、環境整備や相談事業等をすぐに活用できたら、苦労はしません。100%じゃなくても良いと思うこと、不調とうまく付き合っていくことを考えてみることも必要です。

    「②お薬の力を借りる」

    お薬には、「じっくり修復系」と「その場しのぎ系」があります。「じっくり修復系」は、すぐに効果はでませんが、治れば薬をやめることもできます。「その場しのぎ系」は、即効性があるものの症状をごまかす薬で、完治させる薬ではありません。たまにある不安発作には有効です。「その場しのぎ系」を辛いときに使うことは良いですが、「じっくり修復系」を使って、根本からちゃんと治すことが大事です。

    「③認知行動療法や呼吸法」

    認知行動療法で対処法を学びます。不安を点数化し、不安な場面に少しずつ慣れていくイメージです。ただし、辛い気持ちに向き合わなければならないので専門家と一緒に行います。呼吸法でお勧めなのは、深呼吸です。深く吸い、思いっきり吐き、最後に脱力します。呼吸が浅いと過呼吸になりやすいので注意が必要です。

    佐多範洋先生

    会場の様子

    最後に会場からの質問にもご回答いただきました。

    いくつかご紹介します。

    1 精神面に不調がある身近な人を受診させたいが、本人が受診したがらないときに、どうやって関わればいいのか困っています。

    【先生のご回答】

    その方との関係性にもよりますが、受診を勧めても受診しない場合は、「何かあったら相談してね」と声をかけておくことが大切です。

    「眠れないんですね、つらいんですね」と相手の立場に立ち、気持ちに寄り添いながら、どのくらい話を聞いて欲しいのか見極めます。受診することに対して背中を押してほしいのか、ただ話を聞いて欲しいのか確認しましょう。ただ話を聞いてもらえるだけで心強いと感じることもあります。

    2 言うことをきかない子どもについついイライラしてしまい、怒ってしまうことがあります。後から子どもにイライラをぶつけてしまったことに対して自己嫌悪になってしまいます。

    【先生のご回答】

    日ごろから子どもと一緒に行動して、向き合っているからこそ出てくる悩みです。まず、育児に向き合っている自分を褒めてあげましょう。

    子どもの年齢にもよりますが、「生理前後とか、イライラしちゃうからね~」と声をかけておくことも一つの手かもしれません。また、親の子どもへの向き合い方を変えて、「お母さんは、〇〇してくれたらうれしいな~」と子どもの行動に着目し、その子を叱るのではなく、行動を叱るなど、伝え方を工夫することもよいでしょう。ペアレントトレーニングもお勧めです。


    3 マスク生活が長くなり、オンラインでのやり取りも増え、相手の表情が読み取りにくいことに困っています。

    【先生のご回答】

    感染予防を徹底して、相手に会うことを勧めます。人間は、会って得られるものが非常に多いです。会うための工夫をしましょう。


    他にもたくさんの質問をいただき、時間を過ぎるまで先生にお答えいただきました。

    今後も、毎年「こころの健康づくり講演会」を開催していく予定です。ぜひご参加ください。

    お問い合わせ

    大網白里市健康増進課成人保健・予防班

    電話: 0475-72-8321

    ファクス: 0475-72-8322

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