小学校と生涯学習課の連携について(文化財・デジタル博物館の活用)
[2021年11月15日]
[2021年11月15日]
市教育委員会では、郷土への愛着を深めてもらうとともに、学校授業の理解を高めてもらえるよう、郷土資料やデジタル博物館を活用した授業のサポートを行っています。
9月に引き続き、大網小学校と連携して、今度は「江戸時代のいわし文化と漁業」についての授業に参加しました。
授業のはじめに「九十九里地曳大漁節」を聞いた児童のみなさん。当時の大網白里市の様子を想像しつつ、デジタル博物館の資料を活用しながら、当時のいわし漁業の様子を真剣に調べていました。また、普段は見ることができない「万祝(まいわい)」の実物が展示されると、デジタル博物館の資料と本物を見比べる姿も見られました。
「万祝」は、大漁を祝って網元(雇い主)が漁師に配った祝い着のこと。今で言う「臨時ボーナス」として扱われ、とても高価なものであったと知ると、「今だと、いくらぐらいなのかな?」と興味津々。価格の高さに、驚きの声も上がりました。
九十九里浜で大量に獲れたイワシが食用だけでなく、高級肥料として扱われた背景を理解し、加工方法や流通経路が発展していく流れを学習した児童のみなさんにとって、過去の大網白里市の姿を思い描く貴重な時間となりました。
今後も、さまざまな教育現場で実物の郷土資料とデジタル博物館を活用できるよう研究を進めていきます。
◆今回の特別授業で活用した大網白里市デジタル博物館のページは、
大漁がもたらした「いわし文化」(別ウインドウで開く)と九十九里地曳大漁節(別ウインドウで開く)の音声データです。
大網白里市には多くの遺跡が存在し、多数の貴重な土器や石器が発掘されています。児童に大網白里市の歴史について知ってもらいたいと大網小の先生と生涯学習課で協力し、今回の授業を計画しました。
児童には、縄文時代の道具がどのように使われていたかを想像したり、調べたりすることで、当時の暮らしを考えてもらいました。実際に見る土器は迫力満点で、「本当に大網から出てきたの?」と、驚きの声が聞かれました。
本市には常設の展示施設がないため、実物を見ることはなかなかできませんが、デジタル博物館を利用することで、考古資料などを調べることができます。
小学校の先生による授業風景
本物の縄文土器と石器を展示
目の前にある土器がデジタル博物館で、3Dで観察できることや、調査されて分かったことを知ると、「黒くなっているからきっと火にかけて、料理に使っていたんだ」、「矢じりの形をしているから、狩りに使ったと思う」など、特徴から用途を予想する姿が見られました。アクセサリーに注目した児童からは、「おしゃれを楽しめたのは、生活が豊かだったからだと思う」という、発展的な意見もありました。
デジタル博物館では、貴重な資料を一斉授業で活用することができます。今後も教育の場面での活用が進むよう研究していきます。
デジタル博物館で観察する様子
生涯学習課職員による考古資料の解説
まとめの様子 活発な意見がたくさんでました。
今回の特別授業で活用した大網白里市デジタル博物館のページは、【縄文時代】(別ウインドウで開く)です。
本市には18の市指定文化財があり、そのうちの一つである「元網主斉藤四郎右衛門家稲荷社」は、白里小学校で保存されています。
社会科の授業で、市内の古い建物のことを学んだ白里小学校3年生の皆さんから、校内に指定文化財があることを知ると、「実物が見てみたい」と要望がありました。
この要望を受けて生涯学習課による特別授業が7月12日に開催され、普段は公開されていない稲荷社の見学会が行われました。
稲荷社は一昨年の台風により、瓦の一部が破損しているものの、壁や天井付近には荘厳な彫刻が施されています。
文化財担当職員から、文化財を大切にしなければいけない理由、稲荷社が建立された時代背景、彫刻されている動物に漁業繁栄・五穀豊穣の祈りが込められているという説明などを聞くと、中をのぞきながら彫刻に表されている動物を夢中になって探す姿が見られました。
「なんで龍が正面にいるんですか」、「まだ発見されていない彫刻はありますか」など、さまざまな質問も飛び出し、身近な地域の歴史と文化に触れた驚きや喜びをあふれさせていました。
普段は公開されていない稲荷社ですが、後世に伝えていくための調査を進めています。
授業を受ける様子
稲荷社の装飾を見つめる子供たち
見事な装飾の社
稲荷社中央にある龍の彫刻
開庁時間(本庁舎): 8時30分~17時15分
※土日祝日および12月29日~1月3日を除く
電話: 0475-70-0300(総合案内) ファクス: 0475-72-8454Copyright (C) Oamishirasato City All Rights Reserved.